京都大学の時計台 (c)朝日新聞社
京都大学の時計台 (c)朝日新聞社

 3月10日に、京大の一般入試の合格発表があったが、一足先に、京大特色入試に合格した受験生たちがいる。3月1日号に続き、受験を決めた高校時代の思い出深い活動や、将来の夢を聞いた。

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■作業療法士になり、発達障害の研究もしたい
京大医学部(人間健康科学科先端リハビリテーション科学コース) 萬田朋生さん 開明(大阪)

 兄が知的障害者、母が移動介護従事者として働く萬田さんは、小学生のころから母が勤める事業所で車いすを押すボランティアをしたり、登下校のときにダウン症の児童の手をひいたりする優しい子どもだった。

 中学生になっても、兄が通う支援学校やデイサービスで交流をもち、高1と高2のときには生徒会活動にも力を入れた。

「母親に教えてもらったり、自分で調べたりして、ADHD(注意欠陥・多動性障害)やアスペルガー症候群などの発達障害に特に関心をもちました。発達障害のことをよく知らない教員も多く、対処の仕方を間違えているケースも多いと感じます」

 高校の先生に、「発達障害の支援をしたい」と伝えたところ、発達障害の研究で有名な教授がいる京大を勧められたという。

「高3の夏にオープンキャンパスに行き、発達障害リハビリテーション学研究室を見学しました。ここで発達障害の研究をしたい思いが強くなりました」

 将来の夢は、患者に寄り添い、患者と一緒に行動する作業療法士となって、発達障害の研究にも携わることだ。

「研究をして、発達障害の児童や生徒への接し方、授業のやり方などを指導者に伝えたいです」

 大学進学後、発達障害の研究が進む米国での診断や支援の様子、北欧の福祉を見学したいと思っている。

■大学でメディアを学び、自分の言葉で発信したい
京大教育学部 佐々木風美さん 仙台二華(宮城)

 小学生のころから、文章を書くのが好きで、「小1から高2まで毎年『青少年読書感想文全国コンクール』に応募しました」。

 小学生のときに内閣総理大臣賞、中学生からは毎年、賞を受賞した。高2のときには、田辺聖子文学館ジュニア文学賞読書体験記部門で優秀賞に輝いた。

 小学校高学年のときに、中国で開催された「日本・中国・韓国子ども童話交流」に参加。日本と東アジア諸国との関係にも興味を持つようになり、SGH(スーパーグローバルハイスクール)の活動の一環で、高2のときにベトナムとカンボジアでのフィールドワークも経験した。


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「自分の言葉で発信したい」