【文豪の湯宿】「眠狂四郎」人気のワケがここに? 柴田錬三郎の愛した宿

鈴木裕也週刊朝日#旅行
景観だけではなく、海の幸や能登牛の料理も絶品
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景観だけではなく、海の幸や能登牛の料...

 文豪たちの作品に登場する温泉宿を訪ねる連載「文豪の湯宿」。今回は「柴田錬三郎」の「ランプの宿」(石川県・よしが浦温泉)だ。

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 能登半島突端のよしが浦温泉・ランプの宿に、着物姿で帽子をかぶり、カバンを手に、たった一人で現れた男。それが柴錬こと柴田錬三郎だった。時は昭和37~38年、眠狂四郎が加賀の豪商と戦うために北陸路を行くシリーズ第3作『眠狂四郎殺法帖』の取材のためだ。

 2階の「花こよみ1号室」に通された人気作家は「この宿は隠れ家としてピッタリだ」「眠狂四郎はこの宿できっと安らかな気持ちになっただろう」と当時の主に話したという。

 ランプの宿は珠洲岬の入り江に面し、三方を崖に囲まれるというロケーション。普通の宿泊客は海を眺めるのに、この人は崖のほうばかり見ているな、と当時10歳だった現当主は強く記憶しているという。敷地内には“日本三大パワースポット”の一つともいわれる「聖域の岬」もあり、柴錬が“隠れ家”と考えたのもうなずける。

 人気作家は先代主人との食事の席で「これからの小説は実在する場所・史実に基づいたものを絡み合わせていくことが肝要である」と語ったという。眠狂四郎シリーズの人気の秘密はそんなところにありそうだ。

(文/鈴木裕也[本誌])

■ランプの宿(らんぷのやど)
石川県珠洲市三崎町寺家10-11

週刊朝日  2019年3月22日号

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