この分野の専門家、牧田善二さんの著書『老けたくないなら「AGE」を減らしなさい』(ソフトバンク新書)に詳しいのですが、糖化で劣化したタンパク質は活性酵素をはるかにしのぐ、悪玉物質AGE(Advanced Glycation End-products 終末糖化産物)になるというのです。

 AGEは老化を加速させる上にアルツハイマー型認知症とも関わりがありそうです。認知症で脳に生じる老人斑に大量のAGEが含まれているのです。

 この悪玉のAGEを体内に生み出す要素として、以下の4つがあげられます。

(1)高血糖になる(2)AGEを多く含む食物をとる(3)紫外線を浴びる(4)タバコを吸う

 つまり糖質の取りすぎで血糖値が高くなると、その糖質がどんどんAGEを生み出すのです。またタンパク質を高温で加熱するとAGEが生じます。ですから、唐揚げなどにはAGEが多く含まれ、食べすぎに注意です。

 逆に減らす効果があるのは(1)カルノシン(2)ビタミンB1、B6(3)ポリフェノール(4)糖質を含まない酒なのだそうです。

 カルノシンとビタミンB1、B6を豊富に含むうなぎと鶏肉は、私の大好物です。ポリフェノールは毎日食べる湯豆腐でOK。酒は糖質のない焼酎を一日も休まず飲んでいます。こう考えると私のAGE対策は悪くないようです。よかった(笑)。

週刊朝日  2019年3月22日号

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帯津良一

帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

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