「平成」を振り返る「懐古消費」もすでに始まっている。そのせいか斜陽産業と言われてきた業界も復活の兆しが見える。

「『写ルンです』など、フィルムカメラを使う人も増えて、町の写真屋さんなどがにぎわっています」(写真家

 前出の清水氏によると、渋谷では、ひと昔前にはやったウォークマンを、自分たちの新しいファッショントレンドとして取り入れているという。また、意外とも言えるこんな業界にも特需が来ている。

皇室行事で出席者にお土産として配られる砂糖菓子入れのボンボニエールや、皇室御用達の漆器や伝統工芸品などが売れ始めています。また、新天皇の即位にともなう10連休にホテルなどの予約を取れない人が、車で寝るためのグッズを買い始めている。ほかにもカラーコンタクトなど変身・美容系グッズも売れ始めています」(清水氏)

 昭和から平成に改元された際にも人気の商品となった、印刷物の元号を訂正する「消し棒付きゴム印」、公的書類など刷り直しが必要なものが出てくるため、印刷店、新しい元号の印章にも特需が来そうだ。

 他にも、様々な業界で、新元号の予想キャンペーンを開始、当てた人には平成31年にちなんで総額31万円分の金券を贈るなどの施策が打たれている。

「これから『31』にちなんだキャンペーンが出てくるでしょう」(同)

「平成」のカウントダウンが始まり、各業界でまだ盛り上がりを見せそうだ。(本誌・田中将介)

週刊朝日  2019年3月22日号