ミッツ・マングローブ「男勝りな女に関する仮説」

連載「アイドルを性せ!」

ミッツ・マングローブ週刊朝日#ミッツ・マングローブ
つばの広い帽子が示すものは… (※写真はイメージです) (c)朝日新聞社
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つばの広い帽子が示すものは… (※写真...

 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「男勝りな女性」を取り上げる。

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「男勝り」「男性顔負けの」なんて表現は時代錯誤かもしれませんが、そうは言ってもまだまだ男性至上主義の日本において、その知性と溌剌さを武器に社会と渡り合う女性の存在は、ひと際目立つものです。日本屈指のアンカーウーマンの座に君臨し続けている安藤優子さん。ともに宝塚歌劇団の男役トップスター出身で今や『理想の女上司ランキング』の常連である天海祐希さん、真矢ミキさん。そして芸能界から政界に進出し党の代表にまで登り詰めた小池百合子さんや蓮舫さんなど。

 タイトスカートからスラリと伸びた足先には鮮やかなピンヒール、多角的な視点と俊敏な判断力、そして冷静かつ情に深い正義感を持ち、おまけにお酒も強そう。思わず男がたじろいでしまう女性像です。最近では吉田羊さんなんかがその系統市場の筆頭株と言えるでしょう。そんな泣く子も黙る『男勝り』な皆さんですが、個人的にはどこか“か弱い”印象を受けるのも事実。間違っても男を喰いものにするタイプには見えません。

 ならば本当の意味で強く逞しい女性とは? 最初に思い浮かんだのは辻希美さんです。モー娘に加入した当初はまだ弱冠12歳。『恋愛レボリューション21』の『レボリューション』の意味すら分からずに歌い踊っていた辻ちゃん。八重歯が愛くるしかった辻ちゃん。しかしちょっと目を離した隙にギャル化していた辻ちゃん。そして突然結婚し子供を産んだ辻ちゃん。気付けば4人も産んでいた辻ちゃん。彼女ほど本能のままに生きている女性アイドルを私は今まで見たことがありません。世間(特に女性)は『本能のままに生きる女性』にとても厳しい。なぜなら現代の社会において、本能に従い続けることは非常に難しく、『馬鹿』もしくは『変わり者』のレッテルを貼られないよう、理屈や根拠や体裁を気にして生きざるを得ない状況の中、自然の摂理と感情の赴くままに行動できる人に対しやっかみを覚えてしまうから。辻ちゃんが『炎上クイーン』なのは、動物として圧倒的に強い証拠なのです。

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