※写真はイメージです (Getty Images)
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買い物依存症チェック (週刊朝日 2019年3月8日号より)
買い物依存症チェック (週刊朝日 2019年3月8日号より)

 ギャンブル依存症、アルコール依存症、買い物依存症……と聞いても、人はみな「自分とは無縁」と思いがちだ。しかし長い人生の中で心のタガは、いつ、どこで外れるかわからないもの。自分が、そして家族が深刻な事態に陥らないための予防策をライフジャーナリストの赤根千鶴子氏が探る。

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 まずは、競馬やパチンコだけでなく株式取引やFXなども含むギャンブル依存症。本人自身が依存症を自覚し、自分から医療機関に通院を始める可能性は非常に低い。「あれ、なんだか様子がおかしい」と思ったら、やはりまず家族が主体的に動くことだ。そして家族だけで問題を抱え込んだりせず、周りに助けを求めること。保健所や精神保健福祉センターといった公的機関に相談するというのもひとつの方法だ。国立病院機構久里浜医療センターの公式ホームページでは依存症の専門医療機関と回復施設のリストが公開されている。そういったものも参考に相談機関を探したり、「医療機関や精神保健福祉センターなどで家族教室が開かれている場合もあるので、そういった場に参加して“家族としての対応”を学ぶことも大切です」(国立病院機構久里浜医療センター院長で依存症対策全国センター長の樋口進医師)。

 そしてもしお金の使いすぎや借金の問題が明らかになっても、お金を家族の管理下に置くのはNG。「なぜなら本人自身がギャンブルの問題を認め、自分できちんとお金をコントロールするところに立ち戻ることが重要だからです。まずギャンブルに使うお金を取り上げても、問題の根本的な解決にはなりません。それでは今度は『家族依存』の始まりなのです。一番大事なのは、本人に現実を自覚させることです」(同)

 すでに借金が大きく膨らんでいるのであれば、弁護士など第三者に相談する。もう第三者が入らなければ片付かない問題であることを本人にわからせることも大事だと樋口医師は言う。また大問題に発展する手前の段階でも、家族が本人に危機的な状況を伝えることは必須だ。「しかしダイレクトに非難したり、罵倒したりするのは絶対にNGです。『あなたって人はもう!何やっているの』『あなた、おかしいんじゃないの?』などとなじられれば、本人もイタイところをつかれて逃げ出すだけです」(25年以上、依存症患者の治療に携わってきた横浜・大石クリニック院長の大石雅之医師)

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