田畑毅衆院議員(左)と細野豪志氏 (c)朝日新聞社
田畑毅衆院議員(左)と細野豪志氏 (c)朝日新聞社
名古屋市の河村たかし市長 (c)朝日新聞社
名古屋市の河村たかし市長 (c)朝日新聞社

 女性関係でトラブルを起こし、「準強制性交」の疑いで刑事告訴され、自民党を離党していた自民党の田畑毅衆院議員が2月27日、辞職願を提出した。

【もう一人の大物は…】

 田畑氏は衆院愛知2区から立候補し、小選挙区では破れ、東海ブロック比例代表で当選していた。田畑氏の辞職で、自民党の静岡5区の吉川赳氏が繰り上がり当選となる見込みだ。

 吉川氏が先の衆院選で敗れたのは、当時、希望の党から出馬し、現在は自民党二階派の特別会員となった細野豪志氏だ。

「今後は自民党入りを目指す」としていた細野氏。

 だが、吉川氏が繰り上がり当選でバッジをつけるとなると、話がややこしくなる。

 吉川氏の所属する岸田派関係者は話す。

「衆院解散があれば、吉川氏は現職だ。それをおろして、無所属の細野氏を静岡5区から立候補させるというのは無理だ。いくらなんでも二階幹事長も、そこまではできないはず」

 静岡5区の候補者を巡って岸田派と対立していた二階派の幹部もこう力なく話す。

「田畑氏の女性関係が、派手だとは聞いていた。しかし、強制性交で刑事告訴、次は淫行疑惑。そこまでひどいとは知らなかった。吉川氏が繰り上がると、まだ無所属の細野氏が自民党の候補として静岡5区からの出馬はダメだろう」

 二階派幹部はこう続ける。

「田畑氏の愛知2区が空くわけでしょう。細野氏が自民党候補でそこから、出馬すれば丸く収まるとの声は潜在的にある。自民党入りをするには、国替えも辞さないという覚悟がないと、みんなの賛同は得られない」

 愛知2区は国民民主党の古川元久衆院議員が、小選挙区では7回連続当選と強さを誇る。

 民主党政権時代は、古川氏、細野氏、どちらも閣僚を務めただけに、実現すれば注目選挙区となることは、間違いない。

 そこへもう一人、出馬を考えている「大物」がいる。

 名古屋市の河村たかし市長だ。衆院議員時代は5回連続当選。

 市長選でも圧倒的強さを誇る河村市長。公約だった、市民税減税を実現させ、木造建築による名古屋城の再建も見通しがついた。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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「総理になると公言しとる」