前川喜平さん。本連載では読者からの前川さんへの質問や相談を受け付けています。テーマは自由で年齢、性別などは問いません。気軽にご相談ください。
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永遠の愛を誓う結婚の意味とは (※写真はイメージです)(c)朝日新聞社
永遠の愛を誓う結婚の意味とは (※写真はイメージです)(c)朝日新聞社

 文部科学省で事務次官を務めた前川喜平氏が、読者からの質問に答える連載「“針路”相談室」。今回は、結婚とは何なのかと悩む男性からの相談です。

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Q:結婚について悩んでいます。仲の良い友人の大半が結婚し、子供を授かった人も多い。私は、大学時代からこれまで何度か女性とお付き合いした経験はあり、結婚を考えたことも2度ほどありました。しかし、「まだ人として未熟な今、結婚していいのだろうか」「この人とこの先一生、一緒にいられるだろうか」と考え、最終的に私から別れを切り出しました。今のこの時代、結婚とは何なのでしょうか? 結婚の先に何があるのでしょうか? (東京都・30歳・男性・会社員)

A:30歳で結婚についてそこまで悩むなんて、今どき珍しいんじゃないですか。東京都の平均初婚年齢(男性)は32.4歳(厚生労働省人口動態調査2015)で、男女ともに晩婚化が進む今の時代、結婚について真剣に悩み始めるのにはまだ早いように思います。周囲からのプレッシャーを感じているのでしょうか。

 今どき、客観的な「適齢期」なんてものはありません。「結婚しよう」と思ったときがその人の適齢期です。でも、どんなにお互いが好き合っていても、「結婚しよう」と思うタイミングが同じじゃないと結婚は成り立たない。そして恋愛感情とは別物。好きなんだけど、結婚する気にはなれないということはあるもの。だから自分が本当に「結婚したい」と思う時期まで待つしかないと思いますよ。

 ただ、結婚する気がないという意思を伝えずにズルズルと付き合ってしまうと、相手の女性の結婚の機会を奪ってしまうことにもなります。相手が結婚を望んでいるのにあなたにその気持ちがなかったのであれば、早めに別れて正解だったと思いますよ。結婚を考えられないうちに、また誰かと付き合うなら、「今は結婚を考えられない」ということを相手にわかってもらった上で付き合った方がいい。

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前川喜平

前川喜平

1955年、奈良県生まれ。東京大学法学部卒業後、79年、文部省(現・文部科学省)入省。文部大臣秘書官、初等中等教育局財務課長、官房長、初等中等教育局長、文部科学審議官を経て2016年、文部科学事務次官。17年、同省の天下り問題の責任をとって退官。現在は、自主夜間中学のスタッフとして活動する傍ら、執筆活動などを行う。

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