ベッキー。巨人の片岡コーチとの結婚を発表しましたが、この数年いろいろ経験した中で、生きてる中で見えるものが変わってきたと思うんです。僕も20代の時にいろいろな経験をさせてもらい、30代になった時に、今までどおり、人を好きになり、付き合っていたら、結婚2年で離婚しそうだなとシミュレーションできてしまいました。

 おそらく篠田さんも、AKBという時代の先を走ってきたグループの中で走り、卒業し、この数年で見えるものが変わってきたのではないか? だからこそのトツ婚。

 結婚って何のためにするの?と1年に1度くらい聞かれる。父はがんになってから、南房総の田舎町から、病院まで毎週、バスに乗って片道3時間の道を通っていた。母も毎回付き添って。とんでもない労力である。そして葬式が終わり、母は実家に一人で暮らしている。父が入院してる時は「一人だな~」って思ってたけど、亡くなって、写真が横にあると、一人の感じがしないと言っていた。亡くなっても夫婦なんだよな。そうなんだよ。言葉では説明できないが、母の言葉を聞いた時に、結婚する理由をそこに見せてもらえた気がする。

週刊朝日  2019年3月8日号

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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