【文豪の湯宿】『ユタとふしぎな仲間たち』の“聖地” 座敷わらしの宿 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

【文豪の湯宿】『ユタとふしぎな仲間たち』の“聖地” 座敷わらしの宿

このエントリーをはてなブックマークに追加
鈴木裕也週刊朝日#旅行
【座敷わらしの宿 緑風荘】2009年に火災で全焼したが16年に再建、営業を再開している

【座敷わらしの宿 緑風荘】
2009年に火災で全焼したが16年に再建、営業を再開している

座敷わらしの目撃談が多い「槐(えんじゅ)の間」には遠藤周作、金田一京助など多くの著名人が宿泊している/【座敷わらしの宿 緑風荘】岩手県二戸市金田一長川41

座敷わらしの目撃談が多い「槐(えんじゅ)の間」には遠藤周作、金田一京助など多くの著名人が宿泊している/【座敷わらしの宿 緑風荘】岩手県二戸市金田一長川41

 文豪たちの作品に登場する温泉宿を訪ねる連載「文豪の湯宿」。今回は「三浦哲郎」の「座敷わらしの宿 緑風荘」(岩手県・金田一温泉)だ。

【座敷わらしの目撃談が多い「槐(えんじゅ)の間」の写真はこちら】

*  *  *
 昭和36年に「忍ぶ川」で芥川賞を受賞した三浦哲郎にとって、金田一温泉とその周辺は、生まれ故郷の青森県八戸市に次ぐ第二の故郷だ。戦時中に疎開したまま、一家は長くこの地で暮らした。

 昭和34年、原因不明の高熱に悩まされた三浦は、療養のため帰郷。緑風荘を訪れたのはこの頃だった。

 宿の座敷わらし伝説をもとに生まれたのが、唯一の児童文学作品『ユタとふしぎな仲間たち』。都会からやってきた少年が座敷わらしとの交流を通じて成長する物語。小説に登場する「銀林荘」が緑風荘である。

<「この銀林荘の離れにも、座敷わらしが棲んでいるの?」

「棲んでいるかどうかわからんが、ともかくあすこの座敷には出るという噂が、むかしからあるんじゃ」>

 同作品はNHKでドラマ化されたほか、劇団四季がミュージカル化したほどの人気となった。

 緑風荘の五日市敬さんによると、若い頃の三浦は、よく宿の人間と碁を打っていたという。晩年にもたびたび金田一温泉を訪れ、宿泊するたびリラックスした様子で毎日のようにビールを飲んでいたそうだ。(文/本誌・鈴木裕也)

■座敷わらしの宿 緑風荘(ざしきわらしのやど りょくふうそう)
岩手県二戸市金田一長川41

週刊朝日  2019年3月1日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい