さらに男性は続ける。

「細かな部品も、中国など、安価に手に入る海外製品が使われるようになり、日本のメーカーとして、ゲームセンターの機械の部品は作らない方向になっている」

 Xデーはいつやってくるのか。前出の店主によると、修理の頻度は、「数年に一回ほど」でそこまで高くはないというが。

「ワニを動かすための基盤が壊れることはないので問題ないですが、ワニそのものが壊れることがある。そうなると、物を仕入れないといけない。以前からワニワニパニック本体は中古業者から買っていたので、ワニが壊れた時点でウチからなくなる可能性もある」

 ゲーム機にはこんな注意書きの張り紙があった。

「強く叩きすぎるとワニが痛がります。優しくしてあげて下さい」

形あるものはいずれ壊れる。でも命は大切に。

(本誌 田中将介)

※週刊朝日オンライン限定