「明るい終わり方」って、すごく監督が喜ぶ言葉だと思います。悲しい結末なんですけど、悲しい結末にしているつもりはない。まあ、悲しいんですけど。悲しくない。

 やっぱり人生って、いろんなことが起きることが当たり前だし、映画の中の登場人物だけでなく、僕も含めて、みんなに予期せぬことが起きる。でもいいことも悪いことも起きて、それが人生だから。そういうメッセージもありますね。

──舞台は日本の普通の田舎なのに、ちょっと異国のようにも見えました。

 撮影した場所は、三重県の伊勢なんですが、ちょっとどこだかわからないですよね。日本映画のような、外国映画のような。ファンタジーのようでもあるし。どの時代なのかも曖昧。でもいつの時代も変わらない「人の心」は感じられる。見る人によってそれぞれ「いいな」と感じるところが違うんじゃないかな。特に女性の意見が面白いです。見終わった後の意見がみなさん違うので。

(構成/本誌・工藤早春)

週刊朝日  2019年2月22日号より抜粋