「時間と共に塩麹の味がまろやかになってくるのがわかると思います。冷蔵庫である程度保存はできますが、できれば変色したりしないうちにどんどん料理に使っていくのがおすすめです」

 中川さんはドレッシングを作ったり肉や魚をやわらかくするのに重宝している。

「鶏のむね肉や牛肉の赤身ブロックを塩麹に30分くらい漬けておくんです。そうするとうっすらと塩味がしみこみ、肉の表面もやわらかくなるので、おいしいです。またステーキ肉などを漬けておくのもおすすめです。30分で肉がホロリとやわらかくなって、とても食べやすくなるんですよ」

 しかし健康のためにあれを食べなくては、これを食べなくてはと一度にいろいろなものを食べ始めようとすると、かえって長続きしないものだ。

「“食べなくては”と思うこと自体がストレスになりますし、続けていくのが途中で面倒くさくなってしまいますから。まずは自分自身が興味が持てて、『おいしい!』と思えるものからトライしていくことが大切です。そしてそれを毎日こつこつ食べ続けていくのが一番ではないでしょうか」

 それぞれの家庭に合った味を探求しながら、健康管理につとめていきたい。(赤根千鶴子)

■甘酒(レシピ作成・中川たま)
<材料>(できあがり500ml分)
ごはん(温かいもの)100g、水2カップ、米麹(生)150g
<作り方>
(1)鍋にごはんと水を入れ中火にかけ、煮立ったら弱火にして10分間煮て、おかゆを作る。この間、保温ポットに熱湯を注いで温めておく。
(2)火を止めて3分間ほどおき、指を3秒間ほど入れておける温度に冷めたら(やけどに注意)、米麹を加えてよくかき混ぜる。
(3)保温ポットの熱湯を捨て、(2)の甘酒を入れ、ふたをして常温で一晩くらい(約8時間)おく。味をみて甘くなっていれば、それでできあがり。

「冬は温かい甘酒を飲みたいものですが、温めるのは60度くらいまでにしましょう」(中川たまさん)

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