落語で途中棄権の“珍事” 一之輔も驚いたそのワケは? (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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落語で途中棄権の“珍事” 一之輔も驚いたそのワケは?

連載「ああ、それ私よく知ってます。」

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春風亭一之輔週刊朝日#春風亭一之輔
春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。ニッポン放送、朝日放送ラジオの「菊正宗ほろよいイブニングトーク」(毎週月~金、18時45分ごろ~)に出演しています。ぜひ聴いてください!

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。ニッポン放送、朝日放送ラジオの「菊正宗ほろよいイブニングトーク」(毎週月~金、18時45分ごろ~)に出演しています。ぜひ聴いてください!

イラスト/もりいくすお

イラスト/もりいくすお

 あれ? ん? 何も聞こえてこない。普通はここで慌てる旦那衆のセリフが続くはずなんですが、会場はシーンとしたまま。その瞬間、私の目の前を黒い物体が猛スピードで通過していきました。楽屋に響く「あにさーん、うんこしてきまーす」という無機質な声。ざわつく客席。どうやらKはお客に何も言わずに噺の途中で立ち上がり駆け出した様子。オチまであと3分なのに我慢できなかったらしい。

 5分後にすっきりした顔で戻ってきたKは座布団に座り、「猪鍋でおなかが膨れまして……」と一言。中断したところから話し始め、淡々と最後まで語りきり、楽屋に戻り私の前で、「お先に勉強させて頂きました」だと。どんな肝っ玉だよ……。Kいわく「実は最初からしたかったんですよ。いやー、エアとは言いながらうんこ我慢しながら夜回りしたり、猪鍋食べるのってあんなにつらいとは思いませんでしたよ(笑)」。

 主催者は、Kがあまりに自然に立ち上がって出ていったので「本当に夜回りに行く新演出かと思いましたー(笑)」だって。んなバカな。Kは打ち上げでお客さんから「ペーパー代」と書かれたご祝儀を頂いていましたよ。甘やかしすぎ! 「これからはトイレ済ましてから落語やんなよ」だって。子供か! 天国の文楽師匠、こんなKを師匠はどう思われますか?

週刊朝日  2019年2月22日号


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春風亭一之輔

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。新刊書籍『春風亭一之輔のおもしろ落語入門 おかわり!』(小学館)が絶賛発売中!

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