電子マネーで商品を購入する安倍晋三首相=2月2日、東京都品川区の戸越銀座商店街 (c)朝日新聞社
電子マネーで商品を購入する安倍晋三首相=2月2日、東京都品川区の戸越銀座商店街 (c)朝日新聞社

 あなたがどんな暮らしをしているのか。どこに行き、何を買ったのか、信用される人かどうか。こんな個人情報が丸裸にされる時代が、もう始まっている。

「東京の戸越銀座商店街にうかがい、キャッシュレス決済を体験しました。最初にコンビニでプリペイドカードを作ったんですが、店頭であっという間に出来上がり、近所の魚屋さんで刺身を買うのに使いました。本当に便利でした」

 こうツイッターでつぶやいたのは安倍晋三首相。2月2日に商店街を訪れ、電子マネーやQRコードによる決済をアピールしたのだ。政府は今年10月の消費増税への批判を避けようと、キャッシュレス決済をすれば、ポイント還元をする方針だ。

 小銭を持ち歩かなくてすみ、ポイントもたまるとなればいいことだらけのように見えるが、実は落とし穴がある。様々な個人情報が保存され、それをもとに個人の「信用度」が勝手に判断されてしまう。キャッシュレスは便利さと引き換えに、超監視社会という「パンドラの箱」を開く。

 消費生活評論家の岩田昭男さんはこう指摘する。

次のページ