「立憲の亀石さんと国民のにしゃんたさんがつぶし合い。共倒れになって、共産の辰巳さんが浮上する可能性もあります」(角谷氏)

 自民党は強気で、柳本氏と太田氏と2人も擁立した。

「そんな強気でいいのかと思う。ウラには二階俊博幹事長と甘利明・党選挙対策委員長の系列争いがあると思う。柳本さんは二階派の特別会員だしね。太田さんは甘利さんに近い。2人のうち、どちらかが負けるかもしれない」(同)

 辺野古移設問題で県民投票を控える沖縄では、白熱の戦いが予想される。自民党県連はシンバホールディングス会長の安里繁信氏に決定。野党は沖縄社大党が擁立する琉球大学教授で新人の高良鉄美氏がオール沖縄の統一候補として名前が挙がっているが、知事に近いグループからの反対の声もあり、なかなか一本化できていない。

「沖縄では4月に衆議院補選が行われますので、その結果次第。自民が勢いを取り戻すか、野党が引き続き知事会派としてがんばれるかのポイントになるでしょう」(同)

 比例区は著名人候補者がこれから続々と登場しそうだ。

「自民党も野党も、20年の東京オリンピック・パラリンピックを前にして、元アスリートの候補者が欲しいと声をかけまくっています」(同)

 ワイドショーで取り沙汰されている元貴乃花親方の花田光司氏。本人は否定しているものの、自民党の馳浩元文科相や元親方の後援者で安倍首相の指南役とされる僧、池口恵観氏が自民党からの立候補を働きかけている。

 元貴乃花親方と離婚した元フジテレビアナウンサーの河野景子さんの名前も浮上している。

「河野さんは議員にピッタリ。実現すれば、自民党からでしょう」(同)

 離婚した夫婦が、自民党から出馬ということもあるやもしれない。

 同じくアスリート枠では、1月に引退表明した女子レスリングの吉田沙保里の名前も挙がっている。

「本人は会見で『出ない』と明言しましたが、周囲から推す声がいまだにあるようです」(同)

 本誌がキャッチした自民党のとびきりの隠し玉候補は女優の杉本彩。

「杉本さんは、自民党どうぶつ愛護議員連盟事務局長の三原じゅん子参院議員と動物愛護の活動を通じて交流があるんですね」(政府関係者)

 16年7月の自転車事故で頸髄を損傷し、政界引退した谷垣禎一前幹事長の名前も挙がっている。

「党内に待望論がある。谷垣さんは記者と懇談したりし、かなり元気になっています」(角谷氏)

(本誌・亀井洋志、上田耕司、田中将介)

週刊朝日  2019年2月15日号

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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