コミュニケーション力が抜群の森保監督 (c)朝日新聞社
コミュニケーション力が抜群の森保監督 (c)朝日新聞社

 サッカー日本代表の森保一監督(50)にとって、事実上、初めての大きな国際大会となったアジアカップは準優勝に終わった。優勝は逃してしまったが、森保監督を「名将」と評する声もある。取材をしてみると……。

 準決勝のイラン戦こそ3−0で快勝したが、グループリーグの3試合、決勝トーナメント1回戦のサウジアラビア戦、準々決勝のベトナム戦と、すべて薄氷の勝利だった。サウジアラビア戦は、ボール支配率が20%台。アジアレベルでは、ボールを常に保持してパスを回す高いボール支配率で主導権を握るサッカーを展開してきただけに、“ショッキング”な試合内容だったと言ってもいい。

 サッカーファンは森保監督の采配に疑問を呈す始末だったが、現地で取材したサッカーライターの六川亨さんは、その手腕を高く評価する。

「森保監督は就任したときから、カウンタースタイルで結果を出してきた。今回、準決勝までの試合では、負けてもおかしくない試合内容なのに、セットプレーや数少ないチャンスを生かして勝ってきた。これはトルシエジャパンから続く日本サッカーのスタイルとは異なる。まだ就任半年で、チームの若返りを図っている中、新しいプレースタイルを浸透させつつある」

 人気サッカー漫画「アオアシ」の取材・原案協力者でサッカーライターの上野直彦さんは、コミュニケーション能力に注目する。

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