アジア杯でヘディングシュートを決める冨安 (c)朝日新聞社
アジア杯でヘディングシュートを決める冨安 (c)朝日新聞社
成長著しい遠藤
成長著しい遠藤

 サッカーのアジアカップで優勝を期待されながら、決勝でカタールに1―3と完敗した日本代表。大会当初は不安定な戦いぶり、相手に主導権を握られる試合内容に、森保一監督(50)の采配やチームを不安視する声があり、一時は決勝進出すら怪しいとまでささやかれていた。

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 それでも、決勝トーナメント1回戦で対戦したアジアの強豪サウジアラビア、準々決勝で難敵ベトナムをいずれも1―0で破った。準決勝ではアジア最強の一角イランに3―0で勝利し、しぶとく決勝まで勝ち上がったのは評価されるべきだろう。

 ロシアワールドカップ後、長年主力だった長谷部誠(35)、本田圭佑(32)らが日本代表の引退を表明し、いやが応にも、若返った新生日本代表のどんな姿勢が光ったのか。

 アジア杯を現地で取材した六川亨さんは、日本代表が躍進した理由にコンディション調整をあげる。

「なかなか目には見えない部分ですけど、他国と比べて日本のフィジカルは良く、動けていました。南野(拓実)も言っていたが、試合が終わってから次の試合までにいかに休めるか。日本代表がこれまで培ってきた血液検査や心肺機能などの細かい科学的データを活用し、きめ細かいケアが武器になっている。過去の中東での試合の経験もきちんと蓄積して、継承していた」

 冨安健洋(20)や遠藤航(25)の活躍も称賛に値する。

「冨安は今大会を通じて一番成長した。やっと吉田麻也の後継者が出てきました。冨安は足も速く、対人プレーも強く、カバーリング能力もある。順調に伸びていって、ディフェンス陣のリーダーとなってほしい。遠藤もまた、今大会で欠かせない選手になった。(浦和レッズから海外チームに)移籍して、遠藤が好きなポジションであるボランチでプレーし、生き生きしている。守備だけでなく、ゴール前に顔を出す幅広いプレーを見せるようになった。リーダーシップを発揮するのはこれからですが、プレーヤーとしては長谷部(誠)の後継者の第一候補です」

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