<トムス・サンドウィッチ>
<br />アットホームな雰囲気で愛される家族経営のサンドウィッチ専門店。窓の向こうに緑が広がるリラックスできる空間だ (撮影/写真部・加藤夏子)
<トムス・サンドウィッチ>

アットホームな雰囲気で愛される家族経営のサンドウィッチ専門店。窓の向こうに緑が広がるリラックスできる空間だ (撮影/写真部・加藤夏子)

【写真】「トムス・サンドウィッチ」の「ステーキ」はこちら

<トムス・サンドウィッチ ステーキ>
<br />ステーキサンドは黒毛和牛のサーロインを約230g使ったボリューム満点の味。霜降り肉にとろけるようなうまみがある2歳までの未経産の雌牛を使用。タマネギと一緒に鉄板で表面を香ばしく焼き、厚切りの食パンに挟む。4500円。BLTやタマゴサンドはスモールサイズ1750円。税込み (撮影/写真部・加藤夏子)
<トムス・サンドウィッチ ステーキ>

ステーキサンドは黒毛和牛のサーロインを約230g使ったボリューム満点の味。霜降り肉にとろけるようなうまみがある2歳までの未経産の雌牛を使用。タマネギと一緒に鉄板で表面を香ばしく焼き、厚切りの食パンに挟む。4500円。BLTやタマゴサンドはスモールサイズ1750円。税込み (撮影/写真部・加藤夏子)

<トムス・サンドウィッチ>
<br />東京都渋谷区猿楽町29-10 ヒルサイドテラスC棟(営)11:30~15:00L.O.(休)水 (撮影/写真部・加藤夏子)
<トムス・サンドウィッチ>

東京都渋谷区猿楽町29-10 ヒルサイドテラスC棟(営)11:30~15:00L.O.(休)水 (撮影/写真部・加藤夏子)

 著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回はファッションデザイナー・菊池武夫さんの「トムス・サンドウィッチ」の「ステーキ」だ。

*  *  *

 トムスの店主、佐藤友紀さんは60年代にニューヨークで写真家のアシスタントをしていた方。夢を語り合った、クリエイター仲間のひとりです。帰国後しばらく経って、奥さんとサンドウィッチ屋さんを開きたいという話を聞きまして、僕の自宅があった代官山のヒルサイドテラスを紹介したら、ひと目で気に入って店を始めました。

 アメリカ風のミニッツステーキのサンドは珍しくてよく食べましたね。塩、コショウのシンプルな味付けですが、和牛サーロインステーキがじつにやわらかくてうまい。厚切りの食パンに挟んで頬ばると、肉汁がジュワッととけ出してパンにしみて最高の味になります。

 70年代は新ブランドを立ち上げたばかりで、めまぐるしい日々を送っていましたね。海外から刺激的な情報がどんどん届いて、寝る間も惜しかった。同時期にこの店が生まれましたが、内装もサンドウィッチの味もむかしのまま。時代を駆け抜けたあの頃の自分をふと思い出させてくれる、貴重な存在です。

(取材・文/今中るみこ)

「トムス・サンドウィッチ」東京都渋谷区猿楽町29-10 ヒルサイドテラスC棟/営業時間:11:30~15:00L.O./定休日:水曜

週刊朝日  2019年2月8日号