なんじゃこりゃ! 菊池武夫が絶賛の「ステーキサンド」がスゴすぎ
著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回はファッションデザイナー・菊池武夫さんの「トムス・サンドウィッチ」の「ステーキ」だ。
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トムスの店主、佐藤友紀さんは60年代にニューヨークで写真家のアシスタントをしていた方。夢を語り合った、クリエイター仲間のひとりです。帰国後しばらく経って、奥さんとサンドウィッチ屋さんを開きたいという話を聞きまして、僕の自宅があった代官山のヒルサイドテラスを紹介したら、ひと目で気に入って店を始めました。
アメリカ風のミニッツステーキのサンドは珍しくてよく食べましたね。塩、コショウのシンプルな味付けですが、和牛サーロインステーキがじつにやわらかくてうまい。厚切りの食パンに挟んで頬ばると、肉汁がジュワッととけ出してパンにしみて最高の味になります。
70年代は新ブランドを立ち上げたばかりで、めまぐるしい日々を送っていましたね。海外から刺激的な情報がどんどん届いて、寝る間も惜しかった。同時期にこの店が生まれましたが、内装もサンドウィッチの味もむかしのまま。時代を駆け抜けたあの頃の自分をふと思い出させてくれる、貴重な存在です。
(取材・文/今中るみこ)
「トムス・サンドウィッチ」東京都渋谷区猿楽町29-10 ヒルサイドテラスC棟/営業時間:11:30~15:00L.O./定休日:水曜
※週刊朝日 2019年2月8日号

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