人は“真っ当な社会人”を演じてる? 香川照之が思う俳優の面白さ

菊地陽子週刊朝日
 数ある池井戸潤作品の中でも、特に傑作の呼び声が高い『七つの会議』。この小説を、「半沢直樹」「下町ロケット」などを大ヒットに導いた福澤克雄監督が映画化した。

「巨大組織の中で生き残っていくためには、どうしても強いものには逆らわず、長いものには巻かれることが必要になってくる。今回の映画で僕は、結果を出さない部下に対して非常につらく当たる上司を、福澤さんに求められるままに演じました(笑)。そういう上司にリアリティーがあるかないかは別として、企業戦士たちの働く現場は、映画で描かれている以上に大変なんじゃないかと思います」

 香川照之さんが出演を快諾した理由の一つは、福澤監督の“今”に興味があったこと。そして、主演の野村萬斎さんと福澤監督がどういう混じり合いかたをするのか、その最初の観客になれることも魅力だったという。

「僕自身もカメオ出演した『祈りの幕が下りる時』を観た時、福澤さん特有のアップを多用する感じや物語を一気に字幕で説明するやり方に、全く抵抗を感じなかった。一つのスタイルができあがっていてすごいなと思いました。『七つの会議』も、福澤節全開です(笑)」

 今回もかなりエキセントリックな役柄だが、香川さん自身は、役作りというものを一切しないのだとか。

「僕は常に、監督が求めるものを演じているだけです。10年ぐらい前までは、役作りのようなものをやっていた記憶もあることはあるんですが、今は、せいぜい自分の人生と重なり合う部分をその場で引っ張り出している程度です。表現というより反射というべきか……。やっていることは、スポーツに近い気がします」

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