橋下徹氏(左)と田原総一朗氏 (撮影/写真部・加藤夏子)
橋下徹氏(左)と田原総一朗氏 (撮影/写真部・加藤夏子)
橋下徹(はしもと・とおる)/1969年生まれ。弁護士。2008年に政界に進出し、大阪府知事に就任。11年には大阪市長に就任した。そのほか、日本維新の会代表など歴任。15年5月、大阪都構想案が住民投票によって否決され、同年末に政界を引退した。近著に『政権奪取論 強い野党の作り方』(朝日新書)、『沖縄問題、解決策はこれだ! これで沖縄は再生する。』(朝日出版社)(撮影/写真部・加藤夏子)
橋下徹(はしもと・とおる)/1969年生まれ。弁護士。2008年に政界に進出し、大阪府知事に就任。11年には大阪市長に就任した。そのほか、日本維新の会代表など歴任。15年5月、大阪都構想案が住民投票によって否決され、同年末に政界を引退した。近著に『政権奪取論 強い野党の作り方』(朝日新書)、『沖縄問題、解決策はこれだ! これで沖縄は再生する。』(朝日出版社)(撮影/写真部・加藤夏子)
田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。早稲田大卒。ジャーナリスト。東京12チャンネル(現テレビ東京)などを経てフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超える。ほか「激論!クロスファイア」が毎週放送中。『平成の重大事件 日本はどこで失敗したのか』(猪瀬直樹氏との共著、朝日新書)など、著書多数(撮影/写真部・加藤夏子)
田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。早稲田大卒。ジャーナリスト。東京12チャンネル(現テレビ東京)などを経てフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超える。ほか「激論!クロスファイア」が毎週放送中。『平成の重大事件 日本はどこで失敗したのか』(猪瀬直樹氏との共著、朝日新書)など、著書多数(撮影/写真部・加藤夏子)

「無責任だ」「人の話を聞け!」と机をたたきながら、ガチンコの激しい論争を繰り広げた前大阪市長の橋下徹氏(49)とジャーナリストの田原総一朗氏(84)。その末に2人が導き出した結論とは?

【写真】橋下徹×田原総一朗 ガチンコ対談の様子はこちら

*  *  *

田原総一朗(以下、田原):僕は、橋下さんに野党がどうすればいいかを聞きたいの。

橋下徹(以下、橋下):自民党の道と違う逆張りを行けばいい。

田原:今の自民党は供給ばっかり増やし、需要を伸ばしてない。なんで自民党は需要を伸ばそうとしない?

橋下:需要なんて政治で伸ばせません。政治家に経済を発展させるような能力はないんです。

田原:でも、安倍さんは経済成長させるって言ってる。うそをついているわけね?

橋下:いや、うそじゃなく、自分たちの能力を過信しすぎ。民間が自由に経済活動ができる環境を整えるまでが政治の役割です。

田原:安倍政権は実質GDP成長率を2%にすると言っているが、できっこない。

橋下:僕ならば、自民党と違う道を提示する。

田原:どういう道?

橋下:違う選択肢を有権者に与えるのが野党の役目です。そして有権者が迷いながらも選択をしながら、与野党が政策を修正し、正しい道に近づいていく。自民党は、行政による需給調整で民間の競争を避ける政治が柱なんだから、もう一つの選択肢は徹底的に民間を競争させる方向性しかない。

田原:そんなこと、今の野党にできるわけない。

橋下:競争というと、新自由主義や弱者切り捨てとメディアに批判されるのでビビっているんです。

田原:僕は小泉(純一郎)さんの痛みを伴う構造改革で、日本の競争力を強められると言ったよ。

橋下:しかし、それだけじゃ、国民はついてこない。やっぱりバラマキも必要でそれが所得の再分配です。競争とバラマキをワンセットでやればいいんです。

田原:野党はそんな気持ちもないし、意欲もない。

橋下:自民党は一言で言えば、古き良き日本というものを絶対視する。そうであれば、野党はもう一つの選択肢として、未来志向の日本というものをどんどん打ち出していく。同性婚、事実婚、夫婦別姓などでも、昔ながらの家族観に縛られない新しい選択肢を示していく。

田原:結婚しなくても子どもを産めば、ちゃんと政府が保障しろってこと?

橋下:法律婚と同様の税の特典とかを与えろ、と。

田原:僕は言っている。

橋下:それから安倍さんの安全保障政策は日本の欠陥についての重要な問題提起なのに、どのメディアも政治批評家も反対ばかりして持論を示さない。

田原:非常に難しい……。

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