インフルエンザ大流行で人込みではマスク姿が目立った (c)朝日新聞社
インフルエンザ大流行で人込みではマスク姿が目立った (c)朝日新聞社

 受験シーズン真っただ中にインフルエンザが猛威を振るっている。国立感染症研究所によると、1月14日から20日までの1週間で推計患者数が約213万人。1月に入ってからの患者数は過去最多を記録した。

 そんなインフルエンザに対して、新薬が話題となっている。昨年3月に塩野義製薬から発売された「ゾフルーザ」。受験を控える子どもを持つ母親の間では、口コミで「とっても楽よ」と“特効薬”のように言われているとか。クリニックでは、薬の説明をする前からゾフルーザを求める患者が増えてきているという。

 ただ、特効薬というのには、ちょっと誤解があるようだ。発症から48時間以内に1回(大人2錠、子ども1錠)の服用で済むという点でわずらわしさはないものの、塩野義製薬によると、服用後、発熱などの症状が治まるまでの時間は、タミフルとほぼ同じ。治療が1回で完結するだけで、すぐに完治するわけではないとしている。

 大川こども&内科クリニック(東京都大田区)の大川洋二(ひろじ)理事長は次のように説明する。

「効果としては、既存の薬と甲乙つけがたい。患者は、1回の服用だけでいいという簡便さからゾフルーザを選んでいます」

 同クリニックでは、ゾフルーザを選択した6割は成人だった。対して、15歳以下の小児や妊婦への処方は慎重だ。

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