「食べることが難しくなった」4人に1人は認知症!? 食のトラブル4つの障害を見逃すな (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「食べることが難しくなった」4人に1人は認知症!? 食のトラブル4つの障害を見逃すな

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菊谷武週刊朝日#ヘルス
日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長で日本歯科大学教授の菊谷武歯科医師(本人提供)

日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長で日本歯科大学教授の菊谷武歯科医師(本人提供)

『「認知症が気になりだしたら、歯科にも行こう」は、なぜ?』より

『「認知症が気になりだしたら、歯科にも行こう」は、なぜ?』より

「最近予約をよく間違える」「会計でいつも大きなお札が出てくる」など、お年寄りの「いつもと違う」異変に気づきやすいのは、歯科医だといいます。「口から考える認知症」と題して各地でフォーラムを開催するNPO法人ハート・リング運動が講演内容を中心にまとめた書籍『「認知症が気になりだしたら、歯科にも行こう」は、なぜ?』では、日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長で日本歯科大学教授の菊谷武歯科医師が、認知症の方に対する歯科の役割を解説しています。

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 世界初の摂食・嚥下(えんげ)機能の診断と治療に特化した口腔リハビリテーション専門クリニックを開院して、2018年で6年になります。75歳以上の患者さんが半数をしめ、脳血管疾患の方が約3割、次いで認知症の方が約2割と多いです。これらの患者さんは、健康な時は当たり前だった「食べること」が次第に難しくなり、そのまま放置するとやがて様々な健康問題に発展してしまいます。

 私のクリニックでは、患者さんの摂食・嚥下の能力グレードを10段階にわけて評価しています。実際に食べているかいないかの摂食状況も10段階で評価します。そこで判明するのは、食べる能力があって患者さん自身も「自分の口から食べたい」と思っているにも関わらず、周囲の判断や環境が適正でないケースが相当数あるという事実です。

 もちろんその逆もあります。本人の能力に見合った摂食環境を整えてあげることで、多くは摂食状況が改善します。患者さんの能力が上がるのではなく、環境の最適化を介護現場が行ったことで良くなるのです。「食べられる環境」を作ってあげることで、中には胃ろうが外れた方もいました。

■顕在化しにくい認知症のサイン

 歯科の特徴は、お年寄りからお孫さんまで一家を診療できることですが、認知症の兆しを始めとして、お年寄りの「いつもと違う」異変に気づきやすいのも私たち歯科医と言えます。「最近予約をよく間違える」「会計でいつも大きなお札が出てくる(お金の計算ができないことが原因)」「身なりが汚れている」「元気がなくなった」といった異変です。お口に関することでは、「口腔衛生状態の悪化」「臭覚・味覚の低下」「義歯を着脱できない」「義歯の上下や向きがわからない」といったこともみられます。歯科は、初期の認知症を発見できる重要な医療機関でもあるわけです。


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