丸山智己 28歳で役者転身を決意した“衝撃の芝居”とは?

菊地陽子週刊朝日
 舞台の稽古が終わった後、稽古着のままふらりと現れた丸山智己さん。185センチの長身は、舞台上で雄弁に語りだしそうな、今を生きる俳優らしい特権的エネルギーに溢れている。

「28歳までは、モデルの仕事をやっていたんです。でも、モデルって、“カッコよくあること”がすべての基本で、僕はいつまでたってもそこになじめなかった。10代の頃から、“物事にはいろんな面があるはず”って思っていたせいか、光の当たった面だけを奇麗に見せることに、少なからず抵抗があったんです」

 そんな折、友人に誘われて、演劇ユニットを立ち上げることに。ステージ上での立体的な動きや、肉体を使った感情表現の仕方など、実践を通して学びながら、演じることの面白さに、徐々にハマっていった。

「当時はまだ“役者になりたい”とまでは思っていなかった。それが、たまたま観た生瀬勝久さんと古田新太さんが出演した『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』というお芝居が衝撃的すぎて……。デンマークが舞台の話なのに、主演の二人は関西弁で、劇場が揺れるくらいお客さんが爆笑して、そこにいた誰もが、ハムレットの世界観に没入していた。芝居って、こんなに鮮烈な体験なんだとわかって、その魅力に取り憑かれてしまったんです」

 丸山さんはすぐ、生瀬さんと古田さんが所属する事務所を調べ履歴書を送った。応募要項には23歳までという年齢制限があったが、無事に所属することができた。2010年、寺山修司作・蜷川幸雄演出の「血は立ったまま眠っている」に出演、14年の「ジュリアス・シーザー」まで、蜷川作品4本に関わった。

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