※写真はイメージです (GettyImages)
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炬燵で「死なない」ための7カ条 (週刊朝日 2019年2月1日号より)
炬燵で「死なない」ための7カ条 (週刊朝日 2019年2月1日号より)

 炬燵(こたつ)がきっかけとなり、死に近づいた人がいる。

【炬燵で「死なない」ための7カ条とは?】

 75歳(当時)の男性だ。地方から東京の娘の家に遊びに来ていたときのこと。夕食後に、炬燵で憩いの時間を楽しんでいたところ、炬燵から出られなくなった。どうも体に力が入らない。重たい体を炬燵から引っ張り出し、救急車で病院へ連れていくと、脳梗塞を発症していた。旅の疲れもあったのだろう。おいしいご飯もたくさん食べ、持病の糖尿病が悪化したのかもしれない。男性はその後10年にもわたって、周囲が驚くほど懸命にリハビリを行ったものの、麻痺が残ったままの体で、最後は肺炎で亡くなった。

「炬燵だけが原因ではないとはわかっているけれど、あの日のことを思い出すと、複雑な気持ちになる」(親族)

 脳卒中のひとつである「脳梗塞」は、脳の血管が詰まることで血液が流れなくなり、脳の組織が死んでしまうものだ。

 原因の一つが、高血圧や動脈硬化によって脳血管に血栓ができること。

 一方、心筋が壊死してしまう「心筋梗塞」は冠状動脈の硬化が原因で、血栓が付着するなどで血管が閉塞してしまう。いずれもよく知られており、突然起きるイメージがあるが、気づかないうちに病は忍び寄っている。それがいつ、どのように出るか。言い換えれば、その発症リスクをどこでどう抑えるべきか。それを知っておくだけでも有効だ。そこに「炬燵」も加えて考えよう。

 東京・世田谷で地域に密着し医療を提供する鳥居内科クリニックの鳥居明院長に話を聞いた。

「炬燵には、入浴と同じぐらいリスクがあります。そんな危険性が潜んでいるとは思えないかもしれませんが、実は、炬燵に長く入ることによる『脱水』で便秘になったり、脳梗塞や心筋梗塞を発症させたり、腰痛が悪化するということもあります。正座やあぐらをかくことで関節に痛みが出る可能性もあります」

 だが、普通に使用している限り、炬燵に危険性はないという。冷えた足元が直接温まる炬燵は、癒やしの観点から見れば効果抜群だ。

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