昭和の「家族」は平成で崩壊 疑似家族がおひとりさまを救う? (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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昭和の「家族」は平成で崩壊 疑似家族がおひとりさまを救う?

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岩下明日香週刊朝日#おひとりさま#シニア
山田昌弘・中央大学教授

山田昌弘・中央大学教授

(週刊朝日 2019年2月1日号より)

(週刊朝日 2019年2月1日号より)

 結婚しない人は孤独に耐えられるのか。一人で生き抜くのは楽ではない。山田さんは「疑似家族」が広がるとみている。

「リアルな相手と結婚できないのであれば、いわゆる『疑似家族』をつくることで親密欲求を満足させてゆくのだと思います。二次元のアニメやアイドルなどのバーチャル家族とかペットが考えられます。一時的に異性関係を楽しめるキャバクラやレンタル彼氏といったサービスも、人気になるかもしれません」

 18年に「今夜、ロマンス劇場で」という映画があった。主人公の男性が見ていた映画のヒロインである綾瀬はるかさんがスクリーンから飛び出してきて、一緒に過ごすラブストーリー。触れられないので手も握れないが、主人公の男性は年をとらない綾瀬さんにみとられて幸せに死んでゆく設定だ。バーチャルリアリティー(VR)の技術は急速に進歩しており、夢物語でなくなる可能性もある。

「バーチャルだから本物の家庭を築くよりも安いですし、自分の好きな世界をつくれる。結婚をしている人でも家庭が憩いの場でないと、二次元の世界に浸ったり、アイドルを追いかけたりして、心理的には別のところに憧れていく人が増えていると思います」

 孤立している人たちが身を寄せ合って「疑似家族」をつくることもできる。

「映画『万引き家族』では、孤立している様々な世代の人たちが、本当の家族以上の疑似家族をつくっています。ぎりぎりであっても助け合いながら生活し、最後は他人にみとられて亡くなります。ネットを通じて、独身や子どものいない女性がサークルをつくる動きもあります。『旦那が亡くなったら一緒に住もうね』と励まし合って、みんなで孤立を防ごうとしています」

 家族のあり方は変わっても、誰かと一緒にいたいという気持ちは、いつの時代も同じようだ。(本誌・岩下明日香)

週刊朝日  2019年2月1日号より抜粋


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