「ドイツ、オーストリア、ノルウェーといった男子の強豪国が女子も強化したことが要因です。2011年に女子のW杯が始まりましたが、当初はトップにフランスとか米国など、男子では見られないような国が表彰台に上っていました。しかし、前出の男子強豪国では国単位で強化システムが確立されていて、女子にも適用することで強化されていきました」
ただ、今シーズンは高梨にとって、新たなスタイルを身につけるための、試行錯誤のシーズンと割り切っている面もあるという。現地でW杯を取材する新聞記者は、こう言う。
「今シーズンの高梨選手は、五輪の翌シーズンということもあり、目先の結果にこだわらずに長期的な視野でジャンプを作り直すシーズンと位置付けています。助走の姿勢だとか、座り方だとか、出方とかも試合で試しています。ただ、いろいろと試しすぎて、何が(不調の)原因かわからなくなったとは言っていましたが、リスクがあるとわかっていてチャレンジしています」
(本誌・大塚淳史)
※週刊朝日 2019年2月1日号より加筆