福田:であってほしいですね(笑)。僕、ドMではないんで、ヨメにコキおろされてるときはほんとにつらいし、殴られてるときも痛いしイヤだなと思いますけど、結果的に正しい方向に進むことが非常に多いんです。

林:うちの夫はそこまでひどくないけど、私が朝8時半ぐらいに仕事に出かけたら、「宅配便が4回来たぞ。なんで仕事に行く時間を遅らせられないんだ」って平気で言うんですよ。

福田:アハハハ。うちのヨメは、キャスティングにもめちゃめちゃ口出してきます。「銀魂」(17年のドラマ)のキャスティングも、ほぼヨメが決めましたし。

林:それってすごくないですか。

福田:僕があまり知らない俳優さんでも、ヨメが「絶対この人しかいない」って譲らなくて。それでプロデューサーに「ヨメが譲らないんです」と言ったら、「じゃあ勝負しましょう」ってなって決めて。

林:でも、プロデューサーに「うちのヨメが言ってるので」って言うのって、かなり勇気がいりませんか。

福田:僕の周りはみんな、ヨメが主導権を握ってるのを理解してるんで(笑)。僕自身、ヨメに怒られた日は明らかにテンションが低いんです。スタッフも「奥さんが納得しないと、福田さんも乗れないから」みたいな。

林:そうなんですか……。

福田:だって撮影中、「あのキャストにしなかったら、ぜんぜんおもしろくならねえだろ!」みたいなことをずーっと言われ続けるんです。その苦痛に耐えるよりは、ヨメの言うようにしちゃったほうがいい(笑)。

林:芸能界に興味ないのに、奥さん、直感的にわかるんですね。もはや巫女みたいな感じ……。

福田:ほんとコワいです。でも、人前に出ると100点なんですよ。しおらしく「いつもお世話になっておりますゥ」って感じで。誰かが「おウワサはかねがね……」と言っても、「いえいえ、あれは全部ウソなんですよ。パパが笑い欲しさにいろいろ言っているようですけど。ホホホ」って言うのが彼女の決まり文句。そして帰りの車の中で怒り心頭(笑)。

(構成/本誌・松岡かすみ)

※週刊朝日2019年1月25日号より抜粋