「生で見られたこと自体がラッキーでした。しかもその試合で自分がボールを運ばせてもらったなんて。二度とできない体験です」

 この経験を通して、何か自分の中で変化があったかと尋ねると、「度胸がついて、物怖じしなくなりました。学校で発表者に選ばれたり、受験の面接練習をしても、緊張しなくて済んでいます」と笑顔を見せた。

 じつは、イギリスの試合会場でも、どうすれば日本でラグビーの人気が復活すると思うか、さまざまな国の人々にアンケートを行ったという虎哲くん。

「『今日の南アフリカ戦で勝つ』って回答した人がいて、それは正しかった(笑)。やっぱり日本代表に勝ってもらうことが一番ですよね」

 今年のW杯も日本戦の会場で応援する予定だ。

「W杯は絶対に生で観戦したほうがいい。迫力が違うし、会場にいる一体感がたまらないんです。ラグビーはルールがわからなくても、せめぎあいがわかりやすく、見ているだけでも楽しめるので、ぜひたくさんの方に見てほしいと思います」

 W杯もオリンピックも「4年に一度」だが、母国開催は「一生に一度」の可能性が高い。「DHLマッチボールデリバリー」キャンペーンに応募できるのは8歳から15歳までの小中学生とその保護者で、締め切りは2月19日。子どもや孫が恥ずかしがったとしても、家族が応募することで、何にも代え難い経験と、成長の機会になるかもしれない。

(本誌・伏見美雪)

週刊朝日  2019年1月25日号