──プレー以外では?
チームのみんなが自分に信頼を寄せてくれてるのを感じます。最初は全然なかったけど……って、そりゃそうですよね、1年目のやつにいろいろ言われても(笑)。だから、日本代表入りといった結果を出すことで、まずは信頼を勝ち取ることから始めようと。
──好きな言葉は「常に一流であれ」だそうですね。
大事にしている言葉です。失敗してもすぐに起き上がる、すぐに何があかんかったか考えて行動できる人間が一流やって中学高校大学と教えてもらったので。それこそ入社1年目でキャプテンになったときに支えてくれたのも、この言葉でした。手探りの状態でたくさん失敗もしましたが、落ち込まんと、次にどうしたらうまくいくかすぐに考えるようにしたから乗り越えられたんじゃないかと。
──自信のあるプレーは?
ボールキャリー(ボールを持ってトライへと進むこと)ですね。
──敵をかわすステップや、タックルに負けないパワーは気持ちがいいほどです。
自分の強みだと思っています。あとはジャッカル(タックルで倒れた相手からボールを奪うプレー)も強みになりつつあるかなと思うので、見てほしいですね。
――スピードが求められるバックスに負けないほど足が速いという印象も受けますが。
いやいや、全然です(笑)。高校の時は体重100kg未満で細かったので、ラグビー部でいちばん速かったんですけどね。50メートル6.3秒くらいでした。
──トヨタではフランカー(7番)ですが、代表ではフォワードの三つのポジションを務めていますね。
フランカーとナンバー8(8番)とロック(5番)ができる選手はほかにいないので、強みとして自信を持っていいかなと思っています。ポジションが変わると役割も動きもまったく違うので、柔軟に対応していくのはとても大変ですけど、与えられたポジションで、全力でやります。
──ラグビーを見たことがないと、日本代表に外国人の選手が多数いることに疑問を持つ方も多いようです。
名前や見た目で判断されがちですけど、大事なのは中身。彼らはちゃんと日本人としての誇りを持ってます。よく大和魂っていいますけど、苦しいとき、しんどいときにここぞという力が出せる、絶対あきらめないのが日本人やと思うので。それをみなさんにも理解してほしいなと思います。
──最後に、W杯に向けてメッセージをお願いします。
W杯を機に、グラウンドに来てラグビーの魅力に触れ、このスポーツの素晴らしさを一人でも多くの方が感じてくれたらなと思っています。そのためにも、自分たち日本代表には、結果を残す責任がある。毎試合、自分の持てる力をすべて出して、本気の勝負で挑みます。僕らは、仲間のため、チームのため、日本のために、体を張ります。その姿を会場に見に来てもらえたらうれしいです。
(本誌・伏見美雪)
※週刊朝日 2019年1月25日号