――そのわずかな時間に、練習の様子を見たジェイク・ホワイト新監督(当時)に、最年少でキャプテンに選ばれた?

 選ばれた……みたいですね。びっくりしました。でも、キャプテンという立場で成長できるチャンスだなと。中学時代からずっとトヨタでラグビーをしたかったし、トヨタで勝ちたいって思っていましたから、そのチームのキャプテンになれることはすごく光栄だとも感じました。もちろん不安でしたけど。

──つらくて泣いたこともあったとか?

 何度もありました。そりゃ、つらいですよ(笑)。新しい環境に入って心に余裕がないなかで、チームメートのこともよく知らないのに、キャプテンという立場でやらなきゃいけない。相当なプレッシャーで、本当に押しつぶされるような感覚があって……僕、7年くらい風邪ひとつひいたことがなかったんですけど、初めて胃腸風邪になりました。ストレスで顔にもニキビがバーッとできて。あのときは本当に孤独で、情緒不安定になりましたもん。仲間には見せなかったけど、一人のときは自然と涙が出た。自分で言うのも何ですけど、つぶれてもおかしくなかったんじゃないかっていうぐらい、しんどかったです。
最終的には、乗り越えるというか、自分の成長につなげることができましたが。

──どうやって乗り越えたんですか?

 うーん、お酒飲むことで(笑)。いや本当に、仲間やいろんな人と飲んで、リフレッシュすることが大事なんです。僕、1年目は本当に真面目にやっていて、外にも出なかったんですよ。試合が終わっても、一人でコーヒー飲みながら、どうしたらチームが勝てるかとかいろいろ考えながらノートにまとめて、次の練習のためにどこにも行かずに部屋で体を休ませて。それをずっと続けていたら、11月の代表戦が一段落したときに、一気に体にガタがきた。そうしたらチームメートが気遣って、飲みに行くぞって誘ってくれたんです。それが本当に大事なんやなと気づけたのは、サンウルブズに参加してからですけどね。

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