※写真はイメージです (GettyImages)
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ペットボトル温灸術も肺の老化防止に 2/2 (週刊朝日 2019年1月25日号より)
ペットボトル温灸術も肺の老化防止に 2/2 (週刊朝日 2019年1月25日号より)

 人が生きるうえで欠かせない呼吸。それだけに肺の役割はとても大きい。加齢や病気に負けないために、肺の働きをよくするにはどうすればいいのか。専門家のアドバイスを紹介する。

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東洋医学の立場から肺の老化防止のアドバイスをくれたのは、鍼灸師の若林理砂さんだ。

「東洋医学において呼吸器の老化防止を考えるときは、まず消化機能を整えることから始めます」

 消化器官は命の源である食物、水分の入り口であり出口である。

「消化能力を高めて『気(き=エネルギー)』と『血(けつ=体液)』を増やすことは、風邪を寄せ付けないからだづくりにつながるのです」

 そして風邪を寄せ付けないからだづくりは、丈夫な肺づくりにつながる。そこで若林さんには消化機能、肺機能低下を防ぐ「温灸」を教えてもらった。

「気血の流れが滞らないよう私が皆さんにおすすめしているのは『ペットボトル温灸術』です。夜眠りにつく前にお湯を入れたペットボトルをツボにあてるだけ。簡単にできる“不調改善術”ですので、ぜひお試しを」

 準備するのは、ホットドリンク用の空のペットボトルだ(アルミやスチールの缶は表面が熱くなるので、使用しないこと)。常温の水100ミリリットルと沸騰直前の湯(大きな泡が立つ手前)200ミリリットルを耐熱性の計量カップに入れ、カップからペットボトルに注ぎ、フタをしっかり閉めてから使用する。

 ツボの位置は下記の手順を参考にしていただきたい。位置はおおよそでかまわない(*本来は肌に直接当てる)。

「ツボの位置に『熱い』と感じるまで当てて、一度離します。これを3~4回繰り返してください。気持ちよく感じても5回以上当てたりすると、刺激が強すぎて逆効果です」

 肺機能を整えていくにはまず、肋骨の下端中心とおへそを結ぶラインの中間にある「中カン(※「カン」は「にくづき」に「完」)」にペットボトルを当てる。そのあと、おへそと恥骨結合の中間にある「関元(かんげん)」にペットボトルをずらす。そして胃腸の働きを促す「足三里(あしさんり)」へ。そして最後に「肺兪(はいゆ)」にペットボトルを当てて終了だ。

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