トマトに関しても、「トマトに含まれている抗酸化物質・リコピンには抗酸化作用、抗アレルギー作用があり、喘息に有効です。トマトジュースは毎日飲むことによって、喘息だけでなく、肺機能が改善したとする学会報告もあります」。

 また肺機能を高める効果がある成分としてはEPAやDHAなどのn−3多価不飽和脂肪酸の名前もあがっている。これらはさばやいわしといった青魚に豊富だ。そこで管理栄養士の牧野直子さんにりんごやトマト、いわしを使った「肺機能アップおかず」を提案してもらった。

「まず、りんごとトマトを二つ合わせてサラダを作りましょう。これは晩のおかずのひとつにしてもいいですし、朝、パンと一緒に食べる一品としてもおすすめです。夜のうちに素材を切って保存容器に入れておき、翌朝食べる直前に塩をふるだけ……の状態にしておくと便利ですよ」

 ハーブはバジルの代わりに大葉などを使ってもよい。またサラダに生ハムや缶詰のツナなどを混ぜても美味。

「トマトに含まれるリコピン、りんごに含まれるポリフェノールの抗酸化作用で細胞をサビさせない。そんな意識で食べたいですね」

「いわしのつみれ汁」は、寒い冬にぴったりのメニュー。「つみれはちょっと多めに作って、冷凍しておくと便利です」。いわしのつみれはトマトと一緒に煮込んだり、形をくずしてパスタの具にしてもおいしい。

「つみれを作ると聞くとちょっと面倒くさく感じる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。スーパーでもともと三枚におろしてあるものを買ってきて、フードプロセッサーで一気につみれのタネにしてしまってもいいのです。そしてお団子を作り煮るだけですから一回覚えてしまえば簡単。いわしのつみれ汁に入れる野菜は冬は大根や白菜に代えてもおいしいです。具だくさんにすれば、つみれ汁だけでも十分なごちそうになると思います」

 EPA、DHAは血液の巡りをよくすると言われている。

「肺の血管が詰まらないように気をつかうことも大切です。きちんと食べて、肺機能が落ちないからだを守りたいですね」
(赤根千鶴子)

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