津田大介「幻想だった? 米都市と地方の対立」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

津田大介週刊朝日#津田大介
米大統領選でトランプ氏の支持者が掲げていたポスター。「サイレント・マジョリティー(声を上げてこなかった本当の多数派)はトランプを支持する」と書かれてある (c)朝日新聞社
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米大統領選でトランプ氏の支持者が掲げ...

 ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られるジャーナリストでメディア・アクティビストの津田大介氏。米国の都市部と地方部で対立構造があるとされるが、真実ではないとする主張を取り上げる。

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 2016年の大統領選挙以降、米国では国内が分断していると盛んに叫ばれている。

 もともと保守層を代表する共和党、リベラル層を代表する民主党による二大政党制が定着しており、世論は大きく二分されてきた。こうした分断はしばしば、「金持ちで現実を知らない都市部のうぬぼれたエリート」と、「簒奪(さんだつ)され、貧しく怒れる地方の住民」との対立として描かれてきた。16年の大統領選挙も、前者の代表たるヒラリー・クリントン氏に、後者の味方であるトランプ氏が勝利したと評価する向きが少なくない。16年6月に出版された『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』は、夢も希望もなく困窮する田舎の白人労働者の姿を描いたものとして注目を集め、これこそがトランプ大統領を支持する人々の姿だとされた。

 しかし、こうした「都市部の金持ちエリート」対「地方の貧しい労働者」という構造は、米国の分断を表したものなのだろうか。

 この対立を「真実ではない」と断言するのは、公共政策を専門とする南カリフォルニア大学のエリザベス・カリッド=ハルケット教授だ。彼女は昨年12月に米ウォールストリート・ジャーナル紙に寄稿した記事で、過去5年分の国勢調査対象1万6732カ所の社会経済・人口構成データをもとに行った分析を明らかにしている。

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