保育士や幼稚園教諭の採用では、聖徳大や東京家政大など伝統的に保育教育のノウハウを蓄積してきた大学が強い。小林さんは「地元の幼稚園や保育園との強固なネットワークが確立され、就職に強い」と語る。

 看護師や保健師の合格ランキングを見ると、医学部がある大学や看護系の大学が強い。社会福祉士は通信教育のある大学が実績を上げている。薬剤師の合格率は金沢大など高い合格率を出している大学がある一方、下位に目を向けると5割を切る大学もあり、格差が見られる。

 大学に合格することはあくまでも通過点。偏差値だけにとらわれず、在学中に最も伸びるとイメージできる大学を見つけ出すことが、卒業後の進路にも大きく影響しそうだ。

【面倒見のいい大学ランキング】※20位までを抜粋
順位      学校名   ポイント
1           金沢工業大 430
2           東北大   170
3           武蔵大   142
4           国際教養大 91
5           産業能率大 79
6           福岡工業大 74
7           明治大   67
8           立命館大    57
9           東京理科大 55
10         昭和女子大 54
11         九州工業大 51
12         国際基督教大 49
13         高知工科大 47
13         中央大   47
13         津田塾大  47
16         東京大   46
17         大阪大   40
18         福井大   38
19         京都大   36
20         秀明大   35

※大学通信調べ。全国の進学校約2000校の進路指導教諭にアンケートを送付し、835校からの回答を集計。5校記入してもらい、1番目が5ポイント、2番目が4ポイント、3番目が3ポイントとして集計している。

(本誌・吉崎洋夫、取材協力・大学ランキング)

週刊朝日  2019年1月25日号より抜粋

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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