田原総一朗「安倍首相が私に語った『改憲の必要ない』の真意は?」

連載「ギロン堂」

田原総一朗週刊朝日#安倍政権#田原総一朗
イラスト/ウノ・カマキリ
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 ジャーナリストの田原総一朗氏は、安倍政権の軍備拡張路線や採決の強行姿勢に苦言を呈する。

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 正月にしばらく仕事をしない日が続いて、あらためて気になりだした。

 12月18日に、防衛計画の大綱・中期防衛力整備計画が発表され、護衛艦「いずも」が事実上空母化されることになり、米国から大量に買った戦闘機F35Bが搭載されることになった。

 日本の安全保障は、憲法に基づいて専守防衛であり、自ら攻撃に打って出ることはない。

 他国に攻められたとき、日本は盾の役割に徹し、矛の役割は米国が担う。つまり敵と戦うのは米軍で、自衛隊は戦わないことと定められている。したがって、海上自衛隊は攻撃型の空母は持たないことになっている。これを持つことは専守防衛の範囲を逸脱するから、というのである。

 だが、F35Bを搭載することは、明らかに攻撃型の空母になることで、専守防衛の範囲を逸脱している、と朝日新聞をはじめ、多くの新聞やテレビが大きく報じて強く批判した。

 私も、「激論!クロスファイア」で、専守防衛の逸脱だと主張した。

 しかし、手応えはほとんどなかった。野党側からの反応もなかった。

 実は冷戦時代、田中角栄、竹下登、宮沢喜一などは、自衛隊は戦えない軍隊だと主張していた。軍隊というのは戦えれば戦ってしまう。太平洋戦争時、政府や軍部の誰一人、米国と戦って勝てるとは考えていなかったのに、戦えるうちに戦うのだ、といって勝ち目のない戦争に突入してしまったことを知っているからだ。

 自衛隊が戦えないから日本は平和なのだと捉えていたのである。

 だが、冷戦が終わるころから、保守の学者や政治家たちが、彼ら独自の自立論を打ち上げた。

 抑止力を全部米国に頼っていたのでは占領下の延長で、それなりの自前の抑止力を持ち、米国にまともに付き合ってもらえる国になるべきだ、というのである。

 岡崎久彦、北岡伸一、中西寛、田中明彦、そして石破茂や安倍晋三などである。その目標が集団的自衛権の行使を認めることであった。

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