病院の長い待ち時間はなぜ解消できない? 現役の皮膚科医が抱く「違和感」とは… (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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病院の長い待ち時間はなぜ解消できない? 現役の皮膚科医が抱く「違和感」とは…

連載「現役皮膚科医がつづる “患者さんと一緒に考えたいこと、伝えたいこと”」

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大塚篤司週刊朝日#ヘルス

大塚篤司/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員を経て2017年より京都大学医学部特定准教授。皮膚科専門医

大塚篤司/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員を経て2017年より京都大学医学部特定准教授。皮膚科専門医

約9万5千人のアンケート結果では、診察までの待ち時間は「15分未満」が 26.1%と最も多かった(写真:getty images)

約9万5千人のアンケート結果では、診察までの待ち時間は「15分未満」が 26.1%と最も多かった(写真:getty images)

「なぜ病院はこんなに患者を待たせるのか」。そんな不満を抱く患者も多いのではないでしょうか。京都大学医学部特定准教授で皮膚科医の大塚篤司医師が、自身の体験も交えて「病院の待ち時間問題」について語ります。

*  *  *
 病院を受診する際、うんざりしてしまうのが待ち時間の長さです。私は二十歳になるまで気管支喘息(ぜんそく)を患っており定期的に病院に通っていました。また、大人になってからは群発頭痛を発症したため、今でも患者として病院にはよく行きます。

 待ち時間に関しては、2018年9月に厚生労働省が発表した「平成29年受療行動調査(概数)の概況」に詳細な結果が記されています。約9万5千人のアンケート結果では、診察までの待ち時間は「15分未満」が 26.1%と最も多く、次いで、「15分~30分未満」が 23.1%となっており、1時間未満の待ち時間の割合が約7割だそうです。

 しかし、実際はもっと「待たされている」と感じる人が多いのではないでしょうか。

 医学部生時代、病院の待ち時間を体験するために患者さんと一緒に受診するという実習がありました。

 あらかじめ承諾をいただいた患者さんと病院受付で待ち合わせをする。そのまま外来で呼ばれるのを待ち、診察の様子を見学する。

 私がご一緒した患者さんは、心臓に病気があるご年配の男性。患者さんの奥さんも付き添いでご一緒でした。まず、今日一日の心構えをお二人から聞きます。

「大学病院は丸一日かかるからね」

 さっそく私は外来の待ち時間に違和感を覚えます。

 9時から始まるはずの診察が9時5分スタート。あんなに授業では遅刻に厳しい先生が、診察開始時間を5分も遅刻して何もアナウンスなしなんだ……。

 それから1時間、私が担当する患者さんは全く呼ばれることなく時間だけが経過しました。

「もしかしたら忘れられてるかもしれない」

 奥さんが心配して受付に確認に行きます。

「まだかかるって」

 こちらに戻ってきた奥さんに、

「もう少しなにかアナウンスがあるといいですよね」

 私はそう言って同意を求めましたが、返事はありませんでした。


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