保阪:孫に引き継ぐべきかという問題について僕は……。そういえば、ある研究者が、秋篠宮家悠仁さまに歴史について教えたことがあると聞きました。6年生だけど、ものすごく勉強しているそうです。悠仁さまは「どうして日本に原爆が落ちたのか」「どうして戦争になったのか」といくつも質問をしてきて、その研究者はその経緯を易しく説明したそうです。秋篠宮さまは、「統帥権」問題などについても質問し、紀子さまはそばでメモをとるなど、親子で一生懸命勉強している様子がうかがえたようです。

岩井:悠仁さまは2回、いまの天皇を救ったと、僕は思っている。ひとつは、小泉内閣で女性・女系天皇の論議が国論分裂に至ったタイミングで、生まれたとき。

保阪:悠仁さまが誕生したとたん、国を二分した議論は、ピタリと収まった。見事なほどでしたね。

岩井:2回目は、葉山の御用邸で陛下が孫の悠仁さまを和船に乗せたときです。昭和天皇の和船に乗せて、一生懸命にこいで発作が起きたことで心臓病が明らかになり、冠動脈バイパス手術で乗り切れた。そしてここまで、頑張れたのだと思う。

保阪:5月の代替わりまでわずか4カ月です。時代とどう向きあうか、平成の天皇とどのような共通点があり、相違点があるのか。皇統を守る「目的」のためにどのような「手段」が考えられていくのか、名実ともに問われていくように思います。

(構成/本誌・永井貴子)

週刊朝日  2019年1月18日号