室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
イラスト/小田原ドラゴン
イラスト/小田原ドラゴン

 作家・室井佑月氏は、安倍政権が国民の望まぬことばかりを進めていると憂う。

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 あけましておめでとうございます。といっても、このコラムを書いているのは12月の半ば。

 正月の準備は、真空パックのサトウの鏡小を買って、テレビの前に置いとくだけ。

 お正月がやってくるというのに晴れやかな気分になれないのは、安倍政権が沖縄の辺野古の海に土砂を強行的に投入しはじめたからかもしれない(今、12月17日。土砂投入は14日から)。

 ニュースを観ていて、綺麗な辺野古の海が埋められていく様子を、今のこの国と重ねてしまった。

 安倍政権は、あたしたちが望んでいないことばかりを進めていく。

 外国人労働者たちに対する差別をそのままにし、これから大量の外国人を入れる。それはこの国の人間の、労働環境の悪化や、賃金低下も意味している。

 世界で失敗ばかりしている、水道の民営化。地産地消できなくなりそうな、種子法廃止。そして、日米地位協定の見直しもせず、沖縄への米軍基地の押しつけ。

 そのくせ、国策として力を入れていた、原発の海外輸出はすべてご破算となりそうだ。

 ご破算になって良かった。海外の原発輸出先で、事故が起こったらどうする? 厭な、居たたまれないような気分になっただろう。

 安倍政権が力を入れる政策って、多くの人間が不幸になるものばかりだ。

 カジノ解禁もそう。博打は人の不幸で成り立つ商売だもん。

 でもって、我々の社会保障費を削りまくり、そのくせアメリカからリボ払いで武器を大量に購入。

 みんな気づいて! もう、ちょっとずつ、我々は不幸になってきているんだよ。

<2人以上世帯の可処分所得は1997年の月額49万円をピークに、毎年引き上げられてきた社会保険料の負担増などで、2016年は42万9517円と月7万円も減ってしまった。年間84万円ものガタ減りである>(2018年1月3日付の日刊ゲンダイDIGITAL)

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室井佑月

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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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