<海外に出たら慶應も近大も評価は大して変わらない。日本の大学の学歴とか偏差値なんて誰も気にしない。グローバルに考えれば近大は早慶に並んでいるわけだ>

 翌年の18年、THE世界大学ランキングの変動で「早慶近中東立法明上」となり、「早慶近」の枠組みは1年で崩れた。だが、高校生らが大学のホームページを検索し、受験につながった事例が多くなったといい、14年度と18年度の志願者数を比較すると、1821人→3799人(関東地方)、3709人→6996人(東海地方)と、関西地方以外からの志願者が増えている。

 その近畿大だが、THE世界大学ランキング上位に顔を出す国立大との競争を目指している。「関西には早慶規模の私立大学がありません。私学のトップに立てば、京都大、大阪大、神戸大と勝負ができる」と意気込む世耕総務部長は「次の広告案もいくつか考えていますが、『京阪神近し』ではおもしろくない、ですね……」。19年はどんな広告を打ち出すのか。(庄村敦子、本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日  2019年1月4日‐11日合併号より抜粋