一方、便は軟らかいのにすっきりした排便を感じず、便秘の自覚があったり、便失禁をしてしまうような場合は、蛇口、つまり肛門に問題がある。便は直腸まで来ているのに、そこから出せない、あるいは、出っぱなし。治療法は、手術や内服治療となり、根気よく行う。肛門型の便秘(直腸型排便障害)は、「食事にも気を付けているし、食物繊維も積極的にとっている。でも便が時々下着についてしまう」という70代超の男女に多いという。

「腹圧をかけられないから、高齢者は便秘になるんです。便秘予防には、横隔膜を強く刺激する運動が理想。オススメは、水中歩行。水中ならば、膝への負担も少なく、筋力も鍛えられ転倒のダメージも少ない。食事は、ブラン入りのシリアルや、さつまいも、ブロッコリーを積極的に。そして、食べすぎは避けましょう」(宮崎医師)

(本誌・大崎百紀)

週刊朝日  2019年1月4‐11日合併号より抜粋