「40代で遺言書」は早すぎない! もめないための相続準備

赤根千鶴子週刊朝日#もめる相続

弁護士・澤田有紀さん(さわだ・あき)/みお綜合... (07:00)週刊朝日

弁護士・澤田有紀さん(さわだ・あき)/みお綜合... (07:00)週刊朝日
 相続問題は泥沼化することやっかい。家族間、親族間のつまらない争いを避けるための知恵を有識者に聞いた。早めの「泥沼相続」予防対策とは?

【遺産の状況を教えてもらえない場合の遺産の開示を求める例文はこちら】

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 相続発生時に遺言がないと、故人の財産分割に関しては相続人全員で「遺産分割協議」を行うことになる。協議をして全員が合意をすれば遺産分割協議は成立するが、話し合いがまとまらなければ、

「『争(あらそ)う族』の始まりです。モメるリスクを少なくするためにも、私としては40代になったら皆さんに遺言書の作成を意識していただきたいです。モメごと自体が起きないように、自分たちの財産は自分たちで使い切って子供には何も残さないという考え方ももちろんアリです。しかし親の心情として何かしらを残していくのであれば遺言の作成や内容の更新は常に頭の片隅に置いておくべきでしょうね」と相続終活専門協会代表理事の江幡吉昭さんはいう。

 さて、親が被相続人としての気持ち、思いを伝える「付言事項」も記載した遺言書を残すなど、きめ細やかな準備をすればモメ相続など起きないだろうと思いたい。しかしそれでも親の死後、相続問題が勃発してしまうことは多々ある。

 ナニワの主婦弁こと、弁護士の澤田有紀さんは言う。

「モメ相続の原因は私の経験だと『相続財産の全体像がはっきりしない場合』『不動産の評価が決まらない場合』『(遺産に対する最低限度の取り分を請求する)遺留分減殺請求の場合』です」

 特に厄介なのは、相続財産の全体像がはっきりしない場合だ。よくあるのが、

「親と同居している子供が、親の死後、他のきょうだいに親の財産の全容を教えないというケースです」

 理由はさまざまだ。親の面倒を最後まで見たのは自分なのだから、他のきょうだいには財産を渡したくない。同居していたのが長男であるならば、この家の財産を他の家に嫁いだ妹には渡したくない。あるいは、

「親と同居していた子供が、親の生活費を多めに引き出し、お金を使い込んでいる場合もあるのです」

 しかし法定相続人であるならば、もしきょうだいが親の財産の開示を拒んでも、相手に堂々と聞く権利がある。遺言書の有無、財産の全容がわからなければ、財産を分ける作業を進めることはできない。

「何回か聞いても相手の反応がない場合は、手紙で礼儀正しく尋ねることです」

 この段階で感情と感情のぶつかり合いが生じてしまったら、その先に話が進まなくなってしまうからだ。

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