漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「生田家の朝」(日本テレビ系 月~金曜7:50ごろ~)をウォッチした。
【画像】朝からディープなキス?カトリーヌあやこがみた日テレ朝ドラとは…
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企画プロデュースと主題歌は福山雅治、脚本はバカリズム。朝の情報番組「ZIP!」内、速水もこみちの「もてなしMOCO」をお休みして放送中の朝ドラ(全13回)だ。
新築一戸建てに引っ越してきた生田家。夫・浩介(ユースケ・サンタマリア)と妻・早苗(尾野真千子)。思春期の娘と、まだ幼い息子がいる。
NHKの朝ドラより短い7分間は、朝ドラというより朝コント? ほとんどが、リビングのこたつで朝ご飯を食べている情景だ。そこで交わされるのは、ほんとにどうでもいい会話。
子供たちが、納豆についているカラシを使わないから、3カ月で180個もたまっちゃった件。
引っ越しの時、せっかく買った38万円のダイニングテーブルをまったく使ってない問題。ついでにソファも物置きと化し、ほぼ死んでる問題。
奥さんがどうしても欲しいと買ったミキサーも、コーンポタージュを1回作っただけ。
え、これ鏡ですか?てくらいに、テレビの中の生田家は、まるで自分の家。ただし画面ではのんびり豪華な朝ご飯(ご飯、味噌汁、卵焼き、きんぴら、サラダ、納豆)食ってるけど、こっちはそんな場合じゃねえ、早く家出ないと!
さらに「行ってきます」のキス。朝から夫婦で、足をがっつり絡めて、ディープキス。それ、もこみちのオリーブオイル使用量(アヒージョで一本使い切る)くらい、えげつないから。
「あるある」と「ないない」の狭間を行き来しつつ、何事もない日常を送る生田家。これを見ていると、NHKの朝ドラがいかに非現実的な異常世界かということを思い知る。
だって、身近にいます? 塩作ってると思ったら、ダネイホンとやらを作って、3回も逮捕される旦那さん。
もしくは、漫画家になるって言って上京したと思ったら、いつのまにか扇風機作ってた奥さん。
かと思えば、大坂の町を走っていたら、薩摩藩士と衝突し、なぜか着物のたもとに拳銃が入った娘さん。
実話ベースの物語もあれど、どいつもこいつも波瀾万丈すぎだろう。でも、くっそ忙しい朝のひととき、これくらいインパクトがないと、記憶に残らないのも確か。夜中ならともかく、朝いちで余ったカラシの話にツッコむひま無いんで。
※週刊朝日 2019年1月4‐11日合併号