【文豪の湯宿】看板猫で有名に かつて斎藤茂吉が訪ねた宿

週刊朝日#旅行
2種類の源泉から自然湧出したかけ流しの、宿自慢の湯/【桐屋旅館】長野県野沢温泉村
豊郷8714-2
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2種類の源泉から自然湧出したかけ流し...

 文豪たちの作品に登場する温泉宿を訪ねる連載「文豪の湯宿」の特別版「看板猫がいる」宿。今回は「斎藤茂吉」の「桐屋旅館」(長野県・野沢温泉)だ。

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 昭和2年10月、歌人の斎藤茂吉は野沢温泉・桐屋旅館に2泊した。山峡の夕日を見て歌心が湧いたと日記に残している。滞在中、朝飯の茶請けに出された「またたびの塩漬け」に茂吉は驚き、一首詠んでいる。

<湯の宿に一夜ねむりし朝めざめまたたびの実の塩漬を食ふ>

 茂吉のライバルでもあり友人でもある島木赤彦も、この2年前、同宿に宿泊し、塩漬けを食した。赤彦はたいそう気に入り、友人に頼んで、またたびの木を一株送ってもらったという記録が残っている。

 またたびに誘われたわけではないだろうが、現在の桐屋旅館は「看板猫がいる温泉宿」として人気だ。6年前に拾われたオス猫ショースケと2歳のメス猫モモがロビーで出迎える。

 ショースケはハンターで、時に蛇をくわえて帰ることもあるが、人懐こい。客が部屋に戻る際には先導して案内することもある。モモは甘えん坊だが接客力は歴代猫のなかでも抜群。客の部屋の前で「出待ち」して“構って”とアピールすることもある。ショースケとモモの愛らしさにメロメロになり、常連となった客も少なくないという。(文/本誌・鈴木裕也)

■桐屋旅館(きりやりょかん)
長野県野沢温泉村豊郷8714-2

週刊朝日  2018年12月28日号

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