(5)個性豊かなブチ、性格を見極めて
白色と黒色をもつブチは、他の毛柄に比べて全体的に平均点が高めで差がない。高いほうから「甘えん坊」「食いしん坊」と続くが、「好奇心旺盛」「活発」と正反対の「おっとり」の点数が同じくらい。
これは、「ブチはこういう性格」という特徴がつかみにくいことを表しているようだ。白がメインのブチ、体のほとんどが黒のブチなど猫によって毛柄の出方が違うことも影響しているかもしれない。ブチの飼い主は個性をしっかり見極め、先入観なく猫との生活を楽しむことが大切だろう。
(6)賢い白には気遣いを、室内飼いがベスト
白は、「賢い」が3.0。芸をする猫のショーに出場する猫に白が多いといい、大石さんが昔飼っていた白も賢かったという。白猫の割合は1%未満と個体数が少ない。
「野生動物全体に言えることですが、白は自然界の中で目立ちやすく、攻撃を受けやすいのです」
厳しい条件で生き残るためには、賢さが必要だったのかもしれない。
そんな白猫は、特に室内飼いがすすめられる。外敵から身を守るためだけでなく、真っ白な毛にはメラニン色素がほとんどないので紫外線の浴びすぎはよくないからだ。また、左右の目の色が違う「オッドアイ」は白猫に多いが、青い目の側の耳に聴力障害をもちやすいという。
そんな白には、気遣いのある、面倒見のいい性格の飼い主が向いている。
(7)やんちゃな黒、活発さも受け止めて対策を
「甘えん坊」「好奇心旺盛」「活発」「人なつっこい」といった点数が高めの黒猫。ミステリアスな外見とは逆に、やんちゃでかわいらしい性格の猫が多いようだ。
活発で好奇心旺盛だと、子猫のうちは、いたずらっ子のことも。一方的に怒ったりせず、壊されたくないものはしまうなど人間の側が対策をすることが大事だろう。
◆
ここまで毛柄と性格の傾向を紹介してきたが、あなたの飼い猫に当てはまっただろうか。ルーツは中東で、シルクロードや船舶で荷物と一緒に日本にやってきたといわれる猫。猫の毛柄を決める遺伝子の働きは複雑で、9種類もあり、それぞれに優性と劣性があるという。柄の多様性は長い旅路の証し。飼い猫につながる長く複雑な物語に思いを巡らせてみてはどうだろうか。(本誌・岩下明日香)
※週刊朝日 2018年12月28日号