鈴木の元相棒で、巨人FA移籍した丸佳浩も五輪代表にふさわしい。走攻守の三拍子そろい、2年連続のセ・リーグ最優秀選手。選球眼がよくて出塁率も高く、広島のリーグ3連覇に大きく貢献した。中堅が本職でプレースタイルが柳田や秋山と重なり、WBCなど世界の大舞台での経験はない。ただ、能力は引けを取らない。新天地の巨人でも結果を残せば、日の丸のユニホームを再び身にまとう可能性は十分ある。

 底知れぬ潜在能力を秘め、ダークホース的な存在がソフトバンクの上林誠知。日米野球は筒香の代役で選ばれ、打率4割7分6厘と大暴れ。来季の目標を「トリプルスリーに近い数字を」と掲げる。打撃に粗さはあるが、23歳の若武者は大化けの雰囲気が漂う。

 侍ジャパンの外野手を現時点で選べば、左翼秋山、中堅柳田、右翼鈴木、指名打者筒香がベストか。しかし、五輪までに変わる可能性は十分ある。丸や上林のほかにも、オリックスの和製大砲吉田正尚、日本ハムのリードオフマン西川遥輝、安打製造機の近藤健介、北の大地で覚醒の時を迎えた大田泰示、手元で動く球にめっぽう強い国際試合向きのソフトバンクの中村晃……。外野手は実力派ぞろいで、ポジション競争の行方から目が離せない。(今中洋介)

週刊朝日  2018年12月28日号