例えば、オリガミペイは、ローソンと組んで、10月に「コーヒーMサイズが無料」キャンペーン実施。1日1回、オリガミペイを使えば、コーヒーがタダで飲めたのだ。また、12月には吉野家と組んだキャンペーンでは、支払時にオリガミペイを使えば190円オフ。何度でも利用できる。

 他社より早くサービスと開始したラインペイはポイント還元が中心で、使用金額によって、翌月のポイントの還元率が上下する。初めて銀行口座を連結して2000円以上をチャージすれは1000円相当が還元される。当初は11月で終了予定だったが、延長実施するという。

 楽天ペイは初めて決済を利用した月に、合計5400円以上の買い物をすれば、1000ポイント(1ポイント=1円)還元。また、対応店で楽天ペイを使えば支払金額の10%をポイント還元される。

 ドコモのQR決済「d払い」は現在、対応店舗でd払いを使うことで“最大20倍”のポイント還元を実施している。また、初めてd払いを使うと200ポイントが還元されて、さらに、クレジットカードなどを登録することで、プラス100ポイントの計300ポイント還元のキャンペーンが12月から始まっている。

 競争が激化しているQR決済サービス。どこが頭一つ抜けるのか。

「やはりペイペイの100億円キャンペーンはユーザーを惹きつけている。遅れを巻き返しました」(同)

 しかし、ペイペイの大規模キャンペーンは3月末まで。しかも原資の100億円を使い切った時点で終了するという。高額商品を購入できる電機店の店員から「ペイペイ利用者が多い」という話をきくと、狂想曲は早く終息するかもしれない。

 実は、ペイペイはユーザー側だけでなく、導入する店側にとっても恩恵は大きい。まず、初期導入費用、決済手数料、入金手数料が3年間無料という点。

「これは小規模の店舗、個人店舗にとって大きい。クレジットカードや電子マネーは、カード読み取り機など必要機器の導入費用が重たい。ペイペイは、ユーザースキャンという仕組みがあり、店舗側が用意したQRコードを購入者側がスマホで読み込めば支払いができる」(同)

また、決済後の店への入金については、一般的にクレジットカードや他の電子マネーを用いた場合、締め日の関係で半月後や1カ月後の入金となるが、ペイペイは基本2営業日後だ。

「キャッシュフローの面でも、お店側の都合にあったものができました」

 意外なところに勝者がいた。(本誌・大塚淳史)

※週刊朝日オンライン限定記事