大学生のときから、人が行かないところに行き、人がやらないことをやって、笑って楽しめるノンフィクションを書いてきた。40歳くらいまでは年収が200万円に届かないこともめずらしくない中、生活レベルを落とせば問題ないと、ずっと好きなことをやってきた。『アヘン王国潜入記』をはじめ、笑いを交えた独特の文体の作品には熱心なファンがいるが、広く認知されたのは、2013年の『謎の独立国家ソマリランド』が評判を呼んでからだ。

「自分の常識がまったく覆されるところが辺境地のいちばんの魅力です。僕は世界観が広がることが好き。年明けは西アフリカで納豆を取材します」

 自分の「食の可動域」を問われる『辺境メシ』。イラクの鯉の円盤焼きなど、時々おいしそうなものも出てくるのでご安心を。(仲宇佐ゆり)

※週刊朝日2018年12月14日号