ミッツ・マングローブ「ゴーン・ハズ・ゴーン! 平成グローバル化に幕?」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ミッツ・マングローブ「ゴーン・ハズ・ゴーン! 平成グローバル化に幕?」

連載「アイドルを性せ!」

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ミッツ・マングローブ週刊朝日#ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

写真はイメージです(c)朝日新聞社

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 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「カルロス・ゴーン」を取り上げる。

*  *  *
 こんな事になった以上、今週はカルロス・ゴーンを描かずして誰を描く? というわけで連載開始以来初めての似顔絵発信の回。要は見切り発車というやつです。

 私が大学を卒業したのは98年。まさに就職氷河期真っ只中。同期が真っ青になりながら内定を貪っているのを横目に、フーテンの身を決め込んでいた私とて、当時の不景気の凄まじさは記憶しています。銀行や証券会社が倒産し、『リストラ』という言葉が主婦同士の井戸端会議レベルでも飛び交うようになった時代。ゴーン氏が日本へやって来たのはそんな混沌とした99年のこと。ちなみに音楽界では、安室ちゃんが20歳での出産を経てカムバック、16歳の宇多田ヒカルがデビュー盤を750万枚以上売り上げ、モー娘が『LOVEマシーン』を元気に歌い踊る一方で、SPEEDは平均年齢16歳とは思えぬ憔悴しきった顔で電撃解散を発表した頃です。素人目には「Mr.ビーンが歌舞伎でも始めたかのような顔のフランス人が日産を乗っ取りにきた」としか映らなかったゴーン氏の日本上陸。それでも周りには「これからはグローバル化の時代だから」などと分かったような口を叩く人が増え、やれ「IT革命だ」「2000年問題だ」「i‐modeだ」と新しい概念や言葉に置いていかれないよう必死になっている内に、『ゴーン日産』の件に関しても「それはもうそういうことだから仕方ない」と無理矢理納得し、気づけば今日に至っていた。そんな気がします。

 無論、ゴーン氏が日産の業績を回復させたことは紛れもない事実であり、そのお陰で『脱兎の如く速く走るDATSUN(ダットサン)』は、今も日本の一大ブランドとして世界中にその名を轟かせているわけです。とは言え、どこか拭えなかった『ゴーン日産』への違和感は、やはりこの国が抱え続けてきた欧米コンプレックス故のものなのか。不器用で鈍臭いとされてきた日本の島国精神が、グローバル化せざるを得なかったのがこの30年なのだとすれば、カルロス・ゴーンはまさに『平成の象徴』だったと言えるでしょう。そして平成が終わろうとしている今この時期に、日産はゴーン氏に引導を渡した。これがただの偶然とは思えないのは私だけでしょうか?


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